離婚するには?

離婚の方法は3つあります。

  • 協議離婚 ▷▷ 離婚届を役所に提出して離婚。
  • 調停離婚 ▷▷ 家庭裁判所の調停手続で当事者が離婚に合意すると離婚成立。
  • 裁判離婚 ▷▷ 離婚を認める家庭裁判所の判決和解認諾など訴訟でする離婚。

協議離婚

 夫婦で話し合いをして離婚届を役所に提出して離婚するのが協議離婚です。
 話し合って合意のうえで離婚するという点で調停離婚と共通しますが、裁判所の関与がないという点で調停離婚と違いがあります。裁判所の関与がないため、早さでは協議離婚が優れています。
 話し合いの結果、親権や養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割などの取り決めをした場合には、単なる口約束だと将来争いになったときに水掛け論になってしまいかねないので、後日の紛争を避けるために、合意した内容を離婚協議書という書面にするべきです。離婚協議書は私的な合意書の形で作成することも可能ですが、たとえば養育費を支払ってくれなくなった場合に強制執行をすることを考えれば、公証役場で公正証書にしておくことが望ましいです。

 弁護士の関与としては、たとえば、協議離婚にあたっての取り決めを話し合うための交渉や、離婚協議書の作成があります。なお、協議内容を公正証書にする場合には、弁護士費用に加え、公証人の手数料も別途必要となります。

調停離婚

 裁判所で話し合いをして離婚をするのが調停離婚です。話し合いとはいっても、通常は当事者が同席して直接話し合うことはしません。別々の待合室に案内された当事者が、相手方当事者が同席しないところで個別に調停委員に話を聞いてもらい、調停委員を通じて間接的に話し合うのが普通です。なお、調停離婚の場合、離婚自体は調停が成立した時点で成立していますが、事後的に離婚届を役所に提出する必要があります。
 調停離婚は裁判所での手続という点で裁判離婚と共通しますが、夫婦のどちらか一方でも離婚に合意しなければ離婚が成立しないという点で裁判離婚と相違があります。
 調停期日は1か月~1か月半くらいごとにしか入らないため、どうしても話し合いに時間がかかってしまいますが、調停で合意が成立すれば、裁判所書記官が調停調書という書面を作成してくれます。調停調書には確定判決と同一の効力があるので、たとえば養育費を約束通りに支払ってもらえない場合には、強制執行をすることができます。

 弁護士が関与している場合、弁護士は代理人として調停の場に同席することができます。なお、調停手続では、弁護士を付けた場合でも、原則として、ご依頼者様にも調停に出席していただきます。調停手続の中で、相手方から調停委員を通していろいろ無理難題を言いわれることがあるかもしれませんが、弁護士が同席していれば、そのような主張に対して、その場でさまざまな法的助言反論をすることができます。

裁判離婚

 裁判(訴訟)を起こして離婚をするのが裁判離婚です。判決で離婚を認めてもらうには、民法770条1項に定められた離婚事由のうちのどれかにあたることを主張し、証拠により証明する必要があります。離婚事由は、①不貞行為(浮気)、②悪意の遺棄、③生死が3年以上不明、④強度の精神病にかかって回復の見込みがない、⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるときの5つに限られています。
 裁判離婚は、判決で認められれば、たとえ夫婦のうちの一方が離婚に反対していたとしても離婚が成立するという点で、合意が必須である調停離婚と相違があります。なお、判決が確定した時点で婚姻自体は解消されていますが、調停離婚と同様に、裁判離婚でも離婚届を役所に提出する必要があります。
 離婚裁判を起こすには順番があり、法律上、原則として、調停→裁判の順番でなければならないとされています(家事事件手続法257条1項)。これを調停前置主義と言います。そのため、相手方が離婚に合意しそうにないからといって、調停を飛ばして、いきなり離婚裁判を起こすことはできません。

浮気などの離婚事由がないが離婚したい

 離婚事由に当たらなければ、判決を得て離婚することはできません。しかし、離婚事由に該当しなくても、夫婦が離婚に合意すれば、協議離婚や調停離婚は成立します。そのため、たとえば性格の不一致が原因となって不仲になった場合のような、直ちには離婚事由に該当しないケースで、どうしても離婚したければ、相手方が離婚に同意してくれるよう、離婚協議や離婚調停の中でじっくり話し合う必要があります。
 相手方がどうしても離婚に応じてくれない場合は、たとえば当分の間(3~5年程度)別居を続けて長期間の別居継続という既成事実を作った上で、離婚調停をし、さらに民法770条1項5号に該当するとして離婚裁判を起こすことが考えられます。

離婚したくない、条件に納得できない

 配偶者から離婚を切り出されても、夫婦としてやり直したいし、まだまだやり直せると信じている側としては、離婚に応じたくないということがあるかもしれません。あるいは、浮気をして家を出て行った配偶者のほうから、離婚したい、養育費も慰謝料も支払わないなどと言われても、言われた側としては、そんな身勝手な話には応じられないし応じたくもないということがあるかもしれません。ほかに、離婚自体は応じてもいいと思えても、養育費や財産分与などの条件面が納得できなければ、その条件では離婚したくないということもあるかもしれません。
 離婚協議や離婚調停の段階であれば、離婚したくなければ、離婚に応じなければいいだけです。離婚届を出さなければ離婚は成立しません。あるいは、調停で離婚に合意しなければ離婚は成立しません。
 協議離婚の場合、離婚届に署名してしまったからといって、それだけで離婚が成立するわけではありません。離婚届に署名したあと、やっぱり離婚したくないと思ったら、大至急、役所に離婚届不受理申出をしてください。これは、簡単に言うと、「私以外の誰かが離婚届を出しても、受け付けないでください」と役所に申し出るものです。離婚届が受理されなければ、協議離婚は成立しません。

 離婚裁判では、離婚したくなければ、離婚事由を争うことになります。

離婚する際に決めておくこと

 離婚する際に取り決めておく事柄としては、以下のようなものがあります。

  • 親権者の指定 ▷▷ 未成年者の親権者について。例)「当事者間の長男○○(令和○年○月○日生)の親権者を○○と定め、同人において監護養育する」
  • 養育費 ▷▷ 金額や期限、支払方法など。例)「満20歳になる日の属する月まで、毎月25日限り、月額3万円を、○○名義の普通預金口座に振り込んで支払う。振込手数料は○○の負担とする」
  • 面会交流 ▷▷ 頻度など。例)「○○は、○○に対し、○○(子)と、月1回程度面接交渉することを認める。面接交渉の日時、場所、方法等の具体的な内容については、子の福祉を慎重に配慮し、当事者双方が協議して定める」
  • 財産分与 ▷▷ 婚姻後夫婦が協力して作った財産の分け方。
  • 慰謝料
  • 年金分割